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術中グラフト評価デバイス(SPY System)

SPY蛍光イメージングシステム(SPY®

 
 
 
製造元:
製造販売元: 株式会社バイタル
 
 

製品概要

 ノバダックテクノロジー社製SPY蛍光イメージングシステム(SPY®)は冠動脈バイパス手術(CABG)術中において肉眼でバイパスグラフトやその他の血管系の評価をする目的として開発されています。造影剤としてICG(インドシアニングリーン)を用い、これにSPY本機から出る近赤外線を当てることで、血管中に流れるICGを蛍光発色させ、SPYのアームヘッドについた特殊CCDカメラがそれを捉え動画として本機に付属したモニターに映し出すことで、血流の有無を確認することが出来ます。
 また、現在のSPYでは動画をカテーテル造影などと同様にDICOMファイル形式で記録保存するため、電子カルテ対応の病院では院内のネットワークシステムに取り込み一元管理が可能です。
 さらにコンピューターの前面にUSBのポートを設置、メモリースティックを差込み、AVIファイルやMPEGファイル形式の動画データを高速で転送し、プレゼン等に簡単にご使用いただけます。
 

インドシアニングリーン(ICG)について

 インドシアニングリーン(以降ICG)は暗緑青色のトリカルボシアニン系の色素で水溶性です。1957年にFoxらにより紹介され、その後主に肝機能検査や循環機能検査に用いられてきました。ICGの最大吸収波長は血液中の血漿タンパクに結合した場合800-810 nmであり、これは近赤外線領域です。SPYからの806 nmの近赤外線に励起されることでICGは波長830 nmの蛍光発色します。
 SPYによる冠動脈の血流の動画での視覚的な確認はこのICGの蛍光発色を利用したものです。ICGに含有するヨウ化ナトリウムは5.0%以下です。ICGは通常中心静脈に注射します。
 

ICGの薬理学的特徴

 ICGは静注されるとアルブミンがその95%を占める血漿蛋白と結合し高分子化します。 ICGは血中から選択的に肝臓に摂取され、腎臓、末梢血管、肺、脳脊髄等に循環することはないことで知られています。摂取されたICGは肝臓で代謝され胆汁中に排泄されるため、尿中には出てきません。これまでに世界で500万例以上の外科手術で使用されており副作用はほとんどありません。
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SPY蛍光イメージングシステムによる術中グラフトイメージング

吻合後SPYで撮影したところ、血流が流れていないことを発見

  グラフト修復後SPYで再度撮影。今度は血流を確認
 
CABG中枢側吻合術中評価。
Graft Kinkingによりグラフト閉塞を確認

中枢側吻合。Graft Revisionによりグラフト

の血流が得られた。
LAD造影(DESが狭窄しています) 冠動静脈 微小血管造影
CABG術中グラフト評価(SPY) CABG術後カテーテル造影
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SPYの動画

■術中グラフト評価デバイス(SPY)の動画はこちら→
 

海外心臓外科医のコメント

■Visionaries - SPY Image Interpretation Techniques
(Dr. David Taggart, Dr. Bruce Thomas Ferguson 他)
 

VICTORIA レジストリー

 2007年から2008年にかけて、米国のEast Carolina University Heart InstituteのBruce Ferguson 先生らがSPYを用いたCABGの成績とSTS National Databaseの成績を死亡率、脳塞栓、在院日数(初期&中期)、再手術率、術後腎不全の発生率の観点から比較する多施設研究(VICTORIA レジストリー)を行いました。

 STSのデータベースに比べSPYによる術中グラフト評価を行ったCABG患者群の方が、再手術、脳塞栓、術後腎不全、死亡率において、すぐれた成績であることが分かっています(下図)。
Isolated CAB
 
VICTORIAレジストリーについての詳細はこちら
VICTORIA Multicenter Clinical Study 2008 (PDF)
VICTORIA Clinical Study Update 2009 (PDF)
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SPYによる医療経済効果

CMS (Centers for Medicare and Medicaid Services=公的医療保険センター)が米国のFederal Register (連邦広報)のおいて公表したデータによると、CABGおいてSPYを使用してIFVA (Intra-operative Fluorescence Vascular Angiography) を行った患者群が、使用しなかったグループよりも在院日数が平均1日短く、医療コストも低いようです。
 
MS-DRGS 235 & 236 においてICD code 88.59 (= SPY Intra-operative Fluorescence Vascular Angiography 【IVFA】)を行った場合と行った場合での医療コストの検証
  医療コストの検証
 

※MS-DRGS 235 = CABG (カテーテル造影なし) with MCC (主要合併症)  
  MS-DRGS 236 = CABG (カテーテル造影なし) without MCC (主要合併症なし)

 

MS-DRGS 235 & 236

症例数

平均在院日数 (日)

平均医療費
(US$ / 1症例)

235 with SPY 88 9.82 $29,258
235 without SPY 10224 11.14 $33,886
235 トータル 10312 11.12 $33,846
236 with SPY 159 6.3 $20.404
236 without SPY 24640 6.52 $22,341
236 トータル 24799 6.52 $22,329
   
MS-DRGS 233 & 234 においてICD code 88.59 (= SPY Intra-operative Fluorescence Vascular Angiography 【IVFA】 を行った場合と行った場合での医療コストの検証
  医療コストの検証
 

※MS-DRGS 233 = CABG (カテーテル造影含む) with MCC (主要合併症)  
  MS-DRGS 236 = CABG (カテーテル造影含む) without MCC (主要合併症なし)

 

MS-DRGS 233 & 234

症例数

平均在院日数 (日)

平均医療費
(US$ / 1症例)

233 with SPY 60 12.82 $38,842
233 without SPY 17393 13.65 $41,199
233 トータル 17453 13.64 $41,199
234 with SPY 69 8.75 $25,308
234 without SPY 26934 8.7 $29,334
234 トータル 27003 8.7 $38,327
 

 

 アメリカの公的医療保険センターであるCMSは2008年のメディケア患者の医療費用の報告の中で、主要合併症の有無を問わず冠動脈バイパス手術においてSPYを使った術中ICGイメージングを行った症例の方が、かかった総医療費が少なかったことを明らかにしている。

 このデータを参考にするとSPYを使用した場合は、使用しなかった場合より平均でUS$ 1,937 ~ 4,628くらい医療費が削減できたことが分かる。
2010年 Federal Register(PDF)
 

製品カタログダウンロード

■SPY蛍光イメージングシステムのカタログはこちら→
 

文献ダウンロード

1. Desai ND, Miwa S, Kodama D, Koyama T, Cohen G, Pelletier MP, Cohen EA, Christakis GT, Goldman BS, Fremes SE,
A randomized comparison of intraoperative indocyanine green angiography and transit-time flow measurement to detect technical errors in coronary bypass grafts  J Thorac Cardiovasc Surg 2006;132:585-94
     
2. Desai ND, Miwa S, Kodama D, Cohen G, Christakis GT, Goldman S, Baerlocher MO, Pelletier MP, Fremes SE, et al. Improving the Quality of Coronary Bypass Surgery With Intraoperative Angiography. J Am Coll Cardiol 2005;46:1521–5
 

 

 
3. Balacumaraswami L, Abu-Omar Y, Anastasiadis K, Choudhary B, Pigott D, Yeong SK, Taggart DP. A Comparison of transit-time flowmetry and intraoperative fluorescence imaging for assessing coronary artery bypass graft patency. J Thorac Cardiovasc Surg 2005;130:315-20
     
4. Waseda K, Ako J, Hasegawa T, Shimada, Ikeno F, Ishikawa T, Demura Y, Hatada K, Yock P, Honda Y, Fitzgerald PJ, Takahashi M. Intraoperative Fluorescence Imaging System for On-Site Assessment of Off-Pump Coronary Artery Bypass Graft. JACC 2009: Vol. 2: 604-612
 

SPYの心臓外科以外での適用

 Novadaq社製 SPY蛍光イメージングシステムを使用したICG Imagingの有用性は心臓外科領域に留まらず、乳腺外科・形成外科による乳房再建、消化器外科による消化管再建における血流評価など様々ながん治療についても使用可能です。くわしくはこちら
 
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